「同棲や結婚を機に二人暮らしを始めたけど、お金の管理をどうすればいいかわからない」「生活費の分担でパートナーともめてしまう」「二人で暮らしているのに、なぜかお金が貯まらない」――こうした悩みは、カップル・夫婦の間で非常によく聞かれるものです。
二人暮らしは一人暮らしに比べて生活費を分担できるため、本来は一人あたりのコストを大幅に抑えられるはずです。しかし、お金の管理方法を正しく共有しないと、逆に一人暮らしより出費が増えてしまうケースも少なくありません。
この記事では、カップル・夫婦が円満にお金を管理し、無理なく貯金を増やすための具体的な家計術を詳しく解説します。
二人暮らしの生活費の平均と理想のバランス
総務省の家計調査によると、二人暮らし世帯(夫婦のみ)の月々の生活費は平均25〜30万円程度とされています。内訳の目安として、住居費(家賃・住宅ローン)が7〜9万円、食費が5〜7万円、光熱費・水道代が1.5〜2.5万円、通信費が1〜2万円、保険料が2〜3万円、日用品・被服費が1〜2万円、娯楽・交際費が2〜3万円、その他雑費が1〜2万円程度が目安です。
これらの合計から貯蓄に回す割合として、手取り収入の20〜30%を貯蓄・投資に充てることが理想とされています。二人の手取り合計が40万円であれば、月8〜12万円を貯蓄に回す計算です。
二人暮らしの生活費の分担方法:4つのパターン
パターン①:折半(50:50)で分担する
すべての生活費を2人で均等に折半する最もシンプルな方法です。収入が同程度のカップル・夫婦に向いています。「お互いに同額負担」という公平感が得やすく、不満が生まれにくい点がメリットです。一方で、収入に大きな差がある場合は一方に負担が偏ってしまう可能性があります。
パターン②:収入比率に応じて分担する
収入の多い方が多く負担する方法です。例えば手取り収入が30万円と20万円の場合、比率は3:2となり、生活費をその割合で分担します。収入差がある二人にとって公平感が高い方法で、どちらかに過度な負担がかかりにくい点がメリットです。
パターン③:担当費目を分ける
「家賃・光熱費は一方が払い、食費・日用品はもう一方が払う」など、費目ごとに担当を分ける方法です。それぞれが責任を持って管理できる反面、両者の支出総額に差が出やすく、不満の原因になることもあります。定期的に見直しを行いましょう。
パターン④:共同口座(生活費口座)を作る
2人が毎月一定額を共同の生活費口座に入金し、そこから生活費をすべて支払う方法です。お金の流れが透明で管理しやすく、二人の連帯感も生まれます。共同口座への入金額は折半でも収入比率でも対応できます。多くのファイナンシャルプランナーが推奨する、最もバランスの良い管理方法です。
二人暮らしで絶対に話し合っておくべき「お金の価値観」
二人暮らしでお金のトラブルが起きる最大の原因は、お金に対する価値観の違いです。「節約派」と「楽しむためにお金を使いたい派」が一緒に生活すると、日々の小さな出費の判断でぶつかることが増えます。同棲・結婚の前後に、以下の項目について必ず話し合っておきましょう。
話し合うべき項目として、毎月の貯蓄目標額、外食の頻度と予算、旅行・レジャーにかける年間予算、ブランド品・趣味への出費についての考え方、将来の大きな出費(マイホーム・子どもの教育費・老後資金)に対する考え方、お互いの「個人のお小遣い」の金額などが挙げられます。
これらについてオープンに話し合い、お互いの価値観を尊重した上でルールを決めることが、お金のトラブルを防ぐ最善の方法です。
二人暮らしの生活費を賢く節約する方法
①固定費を二人でまとめて見直す
二人暮らしになったタイミングで、固定費を二人でまとめて見直しましょう。スマホは同一キャリアにまとめることで家族割が適用され、通信費を大幅に削減できます。インターネット回線も一本化することで月額費用を抑えられます。保険も二人分をまとめて見直すことで、不要な重複保障を削減できます。
②食費は計画的な自炊で大幅削減
二人分の食事を自炊することで、外食・テイクアウト中心の生活に比べて月3〜5万円の節約になることもあります。週末にまとめて料理する「作り置き」を習慣にし、平日は温めるだけで食事が完成する体制を作りましょう。二人で料理することで楽しい時間にもなります。
③ふるさと納税を二人でフル活用する
ふるさと納税は二人それぞれで利用できるため、世帯全体の上限枠が大きくなります。米・肉・魚介類・調味料・日用品など、生活に使える返礼品を積極的に活用することで、実質的な生活費を削減できます。
④サブスクリプションを二人で共有する
NetflixやAmazon Primeなどの動画配信サービス、音楽配信サービスなどは、ファミリープランや二人でアカウントを共有することで、一人あたりのコストを半額以下に抑えられます。二人それぞれが別々に契約しているサービスがないか確認し、まとめられるものは共有しましょう。
⑤共同の家計簿アプリで支出を見える化する
マネーフォワードMEなどの家計簿アプリを二人で共有設定にすることで、お互いの支出がリアルタイムで確認できます。「どこに使いすぎているか」が二人で把握でき、自然と節約意識が高まります。月に1回「家計会議」を開いて、支出を振り返る習慣も効果的です。
二人暮らしの貯金を加速させる仕組みの作り方
①「先取り貯金」を二人の共通ルールにする
給料日に自動的に共同貯蓄口座へ一定額が振り込まれる「先取り貯金」の仕組みを作りましょう。「残ったら貯金」では二人ともついお金を使ってしまいがちです。毎月の貯蓄目標額を決め、自動積立の設定をすることで確実に資産を積み上げられます。
②目的別に貯蓄口座を分ける
「旅行積立」「マイホーム頭金積立」「緊急用予備費」「老後資金」など、目的ごとに貯蓄口座を分けることで、何のために貯めているかが明確になり、モチベーションが維持しやすくなります。
③積立NISAを二人でそれぞれ活用する
積立NISAは一人あたり年間最大40万円(新NISAでは年間120万円)まで非課税で投資できる制度です。二人それぞれが積立NISAを活用することで、世帯全体の資産形成をより効率的に進めることができます。長期的な資産形成の強力な武器として、早めに始めることをおすすめします。
お金のトラブルを防ぐためのルール作り
二人暮らしでお金のトラブルを防ぐために、以下のルールを最初に決めておくことをおすすめします。一定額以上の買い物は事前に相談する(例:1万円以上の出費は事前に一言伝える)、毎月1回「家計会議」を開いて支出と貯蓄を確認する、個人のお小遣い(自由に使えるお金)を設定してお互いの支出に干渉しない範囲を決める、大きなライフイベント(転職・出産・住宅購入など)の際は必ずお金の見直しを行う、の4点です。
お金の話はデリケートなテーマですが、二人でオープンに話し合えるほど、関係は深まり信頼も増します。「お金の話は恥ずかしい」という意識を捨て、二人の将来を一緒に設計する前向きな話し合いとして取り組みましょう。
二人暮らしのライフステージ別・お金の見直しポイント
同棲開始時
同棲を始めるタイミングは、お金の管理方法をゼロから設計できる絶好の機会です。まずは生活費の分担方法を決め、共同の家計簿アプリを導入し、お互いの収支を把握することから始めましょう。初期費用(敷金・礼金・引越し費用・家具家電購入費)も事前に計算し、無理のない範囲で計画を立てることが大切です。
結婚・入籍時
結婚を機に、お金の管理をより本格的に整える必要があります。生命保険・医療保険の見直し(配偶者を受取人・被保険者に設定)、住宅購入の計画立案、将来の子どもの教育費の積立開始など、長期的な視点でのお金の設計が求められます。このタイミングでファイナンシャルプランナーへの無料相談を活用するのもおすすめです。
子どもが生まれたとき
子どもが生まれると、生活費・教育費・保険料など支出が大幅に増加します。一方で、児童手当・育児休業給付金・各種税控除など、活用できる制度も多くあります。子どもが生まれたタイミングで家計を全面的に見直し、教育費の積立(学資保険・ジュニアNISAなど)を早期に始めることが重要です。
住宅購入時
マイホーム購入は人生最大の買い物のひとつです。頭金の準備・住宅ローンの返済計画・維持費(固定資産税・修繕費)まで含めた長期的な資金計画が欠かせません。住宅ローン控除などの税制優遇も最大限活用しましょう。
二人暮らしでよくあるお金のトラブルと解決策
トラブル①:一方だけが節約意識が高く、もう一方が浪費してしまう
解決策は「個人のお小遣い制」の導入です。生活費・貯蓄を共同で管理しつつ、各自が自由に使えるお小遣いを設定することで、節約と自由のバランスが取れます。お小遣いの範囲内での支出はお互いに干渉しないルールを設けることで、ストレスなく節約できます。
トラブル②:収入が変わったのに分担額が変わらない
転職・昇給・育休など、収入状況が変化したときは必ず分担額を見直しましょう。年に1〜2回、「家計の定期見直し」の機会を設けることで、現状に合わない分担が続くことを防げます。
トラブル③:相手の収入・貯蓄額を知らない
二人暮らしでお金の管理をうまく進めるためには、お互いの収入・貯蓄・借金の有無をオープンにすることが大前提です。特に結婚の場合、相手の財務状況を把握せずに一緒に生活を始めることは将来のリスクにつながります。信頼関係の構築とともに、財務情報の共有も大切にしましょう。
まとめ:二人だからこそできる、賢いお金の管理を
二人暮らしは、正しく管理すれば一人暮らしよりもずっと効率よくお金を貯め、豊かな生活を実現できます。生活費の分担方法を決め、固定費を見直し、先取り貯金の仕組みを作り、二人で同じ方向を向いてお金を管理することが、豊かな二人暮らしの土台となります。
お金のことを二人でオープンに話し合い、価値観を共有し、将来の目標を一緒に設定することは、家計管理の改善だけでなく、二人の関係をより深め、信頼を高めることにもつながります。まずは「お金の価値観の話し合い」と「共同の家計簿アプリの導入」から始めてみましょう。二人の力を合わせて、理想の生活と未来を一緒に築いていきましょう。


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